ITの資産管理というと、PCを数千台も保有している大企業の話だと考えるかもしれません。しかし、実はPCが100台ほどしかない中小企業にもIT資産管理は必要です。さらにここ数年、ITの資産管理の必要性は年々高まっています。

今回は、なぜITの資産管理が必要なのか、また中小企業がIT管理を行う上で重要なことをご紹介します。中小企業でPCの管理を任されている方は、ぜひ参考にしてください。

ITの資産管理とは

ここでは、そもそも「ITの資産管理とは何をすることなのか」についてご紹介します。一口にITの資産管理といっても、その内容は大きくハードウェア、ソフトウェア、ライセンスに分けられます。デジタル化が進んだ現代では、いずれか1つでも管理を怠っていると、非効率になってしまうだけでなく大きなリスクを抱えることもつながります。

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ハードウェアの資産管理

企業で保有しているハードウェア、つまりPCやタブレットなどの管理です。例えばハードウェアの資産管理をしておけば、新たに従業員が入社した際に、使用していないハードウェアが余っているにも関わらず新規購入してしまったということを防げます。

各部署の台数だけでなく、性能に関しても把握していなければなりません。性能が足りないことで業務進行のボトルネックになっている場合は、より高性能なハードウェアを配置するだけで、業務効率を大きく上げられます。必要な場所に必要なハードウェアが配置されているか、常にチェックできるようにしておきましょう。

ソフトウェアとライセンスの資産管理

ハードウェア本体の管理とあわせて、それぞれのハードウェアにどのようなソフトウェアがインストールされているのかについても管理が必要です。

ソフトウェアを利用するために最適なライセンスが取得されているかも、重要な確認事項のひとつです。無駄にライセンスを購入しているとコストが余分にかかり、ライセンスがとれていなければ、メーカーから違約金を請求されることになります。さらには不正なソフトウェアがインストールされていれば、セキュリティやコンプライアンスにも関わる大きな問題になります。

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ITの資産管理が重要になった背景

ITの資産管理という考え方は以前からありましたが、ここ数年でその必要性が特に叫ばれるようになりました。その背景には、IT資産管理の欠如によりさまざまな問題が多発していることが関係しています。ここでは、ITの資産管理を怠った際に起こる、さまざまなリスクについても詳しくご紹介します。

ソフトウェアのサポート切れに伴うリスク

大規模なサイバー攻撃により、企業が大きな被害を受けたニュースを聞いたことがあるのではないでしょうか。サイバー攻撃は毎年のように起きているとはいえ、事前に対策していれば防げる被害が多いのも事実です。

サイバー攻撃が発生した事件の中には、攻撃される前にリリースされていた「セキュリティパッチ」を適用しているだけで防げていたのではと考えられているものもあります。現にIT資産管理が適切に行われている会社では、リアルタイムにセキュリティパッチが適用されており、被害を防ぐことができています。

サイバー攻撃はいつ来るか分からないため、常日頃から製品のライフサイクルを把握して、サポートが終了した製品に関しては利用中止を検討しておく必要があるのです。

アンチウイルスソフトウェアの管理に伴うリスク

以前のサイバー攻撃は、「ばらまき型」といって不特定多数のターゲットに対して攻撃を行っていました。しかし、最近では「標準型攻撃」という特定のターゲットにカスタマイズしたサイバー攻撃を行うケースも増えています。その手口は年々巧妙になっており、アンチウイルスソフトの管理の必要性も日に日に高まっています。

アンチウイルスソフトの管理に必要なことは2つあり、1つは網羅性です。どんなに高性能なアンチウイルスソフトを導入しても、もしセキュリティの対象から漏れているIT資産があれば、セキュリティの穴となります。1つのIT資産がサイバー攻撃に侵されてしまうと、被害が拡大するリスクは数十倍に跳ね上がります。そのため、全てのIT資産に網羅的にアンチウイルスソフトがインストールされているか管理しなければなりません。

もう1つはバージョン管理です。サイバー攻撃の技術は常に進化を遂げているため、セキュリティソフトも常に最新でなければサイバー攻撃を防げません。一度アンチウイルスソフトを完備したからと安心するのではなく、定期的にファイルのバージョン管理を行う必要があります。

コンプライアンス違反のリスク

ITの資産管理で気をつけなければいけないのは、セキュリティに関してだけではありません。もしも使用しているソフトウェアにコンプライアンス違反が発覚してしまうと、金銭的な制裁を受けるだけでなく、社会的信用を失うことになります。

ソフトウェアのライセンス形態は以前に比べて複雑化しており、知らぬ間にライセンス違反を犯しているケースも増えています。PCが数台しかなければ簡単に管理できるライセンス管理も、PCが100台もあれば適切なライセンスが購入されているかはひと目では分かりません。もしも管理ミスや勘違いでライセンス違反があり、それがメーカーからのライセンス検査によって発覚すれば、多額の違約金を請求されることになります。

シャドーITのリスク

「シャドーIT」とは、企業側の承認を得ることなく従業員が個人的に持ち込んでいるものや、部署が独自に導入したもののなかで、企業の管理が行き届いていないIT技術のことです。

シャドーITにはさまざまなリスクがはらんでいます。例えば、私物のデバイスに社内の機密情報が入っていた場合、そのハードウェアを起点に情報漏洩が発生してしまうリスクがあります。

他にも、未許可のアプリやプログラム、さらにはソーシャルサイトを利用して社内の機密情報が漏洩してしまうリスクなど、危険性は多岐にわたります。

しっかりと社内ルールを決めなければ、シャドーITのリスクは回避できません。そのためには懲戒規定の作成や勉強会の実施など、企業全体を巻き込んだ取り組みが必要です。

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まとめ

今回はITの資産管理を怠った場合のリスクについてご紹介しました。ここで重要なのは、ITの資産管理の必要性と会社の規模は関係ないということです。「中小企業の自社は関係ない」と考えていては、大きな被害を受けてしまうでしょう。

とはいえ、数百台とあるPCやその中のソフトウェアとそれに付随するライセンスを管理するのは簡単なことではありません。特に中小企業では資産管理のために割ける人員は限られているため、一人あたりの負担も高くなることでしょう。そんな中小企業だからこそ導入したいのが資産管理ツールです。

Ivanti Software株式会社の資産管理ツールであれば、今回ご紹介したハードウェアやソフトウェア、ライセンスだけでなく、サーバーや仮装資産に至るまで、幅位広いIT資産の状態を単一のビューで確認できます。保有しているソフトウェアとその使用状況を分析し、ソフトウェアの性能と価値を最大限発揮できる提案をしてくれるため、コストの削減だけでなく、業務の効率化にも役立ってくれるでしょう。ITの資産管理に興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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