IT化が進んだ現代社会では、年々情報漏洩のリスクが高まっています。特定非営利活動法人・日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の【速報版】2018年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書」によると、2018年には400件以上のインシデントで560万人以上の個人情報漏洩が起こっており、想定損害賠償額は2,864億円を超えました。

セキュリティ上の問題は増加傾向にあり、より強固なセキュリティが求められています。中でも、近年特に求められているのが多層防御によるセキュリティ対策です。

今回はそんな多層防御の仕組みや重要性、そして多層防御によるセキュリティ対策をご紹介します。

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多層防御の仕組みは?求められる理由とは?

セキュリティ対策に携わる中で近年よく使われるようになった「多層防御」という言葉ですが、その意味や仕組み、必要性までは理解できていない方も多いようです。そこで、まずは多層防御の仕組みや、どうして現代のセキュリティ対策の中で求められるようになったのかをご紹介します。

多層防御の仕組みは?

「多層防御」とは、外部からの不正アクセスなどから組織内の情報システムを守るセキュリティ対策のひとつです。特徴としては、複数の防御策を重ね合わせているという点が挙げられます。

詳しくは後述しますが、セキュリティ上の脅威はひとつとは限りません。ハッキング・不正アクセスなどの外部からの脅威と、内部の人間による故意や過失によるリスクでは有効な防御策は異なります。

多層防御はあらゆる脅威やリスクに備えるための仕組みなのです。

混同されがちな仕組みとして「多重防御」が挙げられます。多重防御は外部からの侵入前のセキュリティを2重・3重にする仕組みになります。それに対して、多層防御は、外部からの侵入そのものを防ぐのみでなく、万が一侵入されたとしても検出ポイントを増やして監視を強化することで防御層を増やす仕組みです。

もちろん、多重防御によって侵入される前に防御できるに越したことはありません。しかし、2重・3重のセキュリティを超えて侵入されるケースも多いのが現実です。そこで、多層防御という仕組みが作られました。

多層防御の構成例

多層防御の仕組みを理解するために構成例をご紹介します。

まずは最初の防御層にあたる入り口です。ファイアウォールやWAFなどによって外部からの侵入を防ぐのが一般的です。

内部にはPC操作ログ管理やデバイスコントロール、不正端末の遮断などのシステムを構築し、内部の監視・セキュリティを高めます。

さらに、万が一データが流出しても悪用を防ぐための暗号化や閲覧・操作制限、遠隔削除などが行われることも多層防御の重要なポイントです。

この他にも、OSやアプリケーションの脆弱性情報を収集して適切なパッチを適用するといった、セキュリティの基本的な対策も欠かせません。大切なのはあらゆる脅威やリスクを考えた多層防御を構成することです。

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多層防御が求められる理由とは?

前述の通り、現代のセキュリティ対策では多層防御が求められるようになっています。その理由についてご紹介します。

最初に挙げられるのは、不正アクセス・ハッキングなどの攻撃手段が多様化し、より巧妙になっているという点です。IT技術の進化に伴って、情報犯罪の手口も年々巧妙になっています。そのため、従来の多重防御などによるセキュリティでは守りきれなくなっているのです。

そこで万が一システムの入り口で防御しきれずに侵入されたとしても、内部の監視や情報を持ち出す出口のセキュリティの強化によって被害を最小限に留めることができる多層防御が求められるようになりました。

ITサービスやアプリケーションの多様化も、多層防御が求められるようになった理由のひとつです。現代ではひとつの業務でも複数のサービスやアプリケーションを使用することが多くなっています。そのため、防御すべき対象・範囲が広くなり、従来のセキュリティでは対応しきれなくなりました。これも多層防御が求められる理由です。

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多層防御によるセキュリティ対策のポイント

多層防御の有効性はわかっていても、具体的にどのように対策すればいいのかわからない方も多いでしょう。そこで、多層防御によるセキュリティ対策のポイントをご紹介します。

ウィルス感染への対策

IT時代のセキュリティで欠かせないのが、ウィルス感染への対策です。現代ではウィルスの侵入経路も多様化し、手口も巧妙になっているため、完全に防御するのは難しくなりつつあります。しかし、リスクを低減することは可能です。

具体的には、ソフトウェアの更新の徹底やセキュリティソフトを導入することで、感染を予防できます。あわせて、常に最新のウィルスに関する情報を集め、周知することも重要です。

重要情報へのアクセスの制限

組織内のサーバーにはさまざまな情報が保存されています。中には外部に漏らすことが許されない重要情報も含まれるでしょう。

アクセス制限を細かく設定して重要情報を閲覧可能なアカウントを制限することで、情報漏洩の多くを防ぐことができます。同時にデータを暗号化やパスワード設定などを行うことで、データが漏洩してしまった際の悪用リスクを低減することが可能です。

前述の通り、不正アクセスやハッキングの手口が巧妙化・多様化しているため、入り口での完全な防御は難しくなっています。そのため、システムへ侵入されることを前提としたこれらの対策は多層防御の強みであり、もっとも重要視すべきポイントです。

情報漏洩が起こってしまった後の対応をマニュアル化

どんなに強固なセキュリティであっても、突破されて情報漏洩が起こる可能性はゼロではありません。そこで、事後対応をマニュアル化して被害を最小限に抑える準備も欠かせません。

現状把握や、外部の連絡先や手順を整理しておくだけでも被害の拡大を防げます。

多層防御によるセキュリティ対策を行うことで、さまざまなリスクを低減できます。とは言え、現状では完全なセキュリティシステムの実現は難しいものです。だからこそ、常に万が一のことを考えた対策をしておきましょう。

強固な多層防御を実現できるサービス

多層防御には多くの要素があるため、導入するにしても何から手をつければいいのかわからない方も多いでしょう。

そこで、最近では簡単に強固な多層防御を導入できるサービスも登場しています。Ivanti Software株式会社の「ENDPOINT SECURITYソリューション」もそのひとつです。

「ENDPOINT SECURITYソリューション」では、わずかな手順でセキュリティツールを多層化してあらゆる脅威やリスクから情報を保護できます。多くのアプリケーションの情報を管理して、適切なパッチの適用や脆弱性のあるものをホワイトリスティングできるのに加えて、権限管理による保護などの機能により、セキュリティに関する多くの業務を簡略化できるのもポイントです。

システムやツールの導入は情報漏洩をはじめとするセキュリティ対策に有効な手段です。重大な問題が起こる前に是非導入をご検討ください。

Ivanti Software株式会社の「ENDPOINT SECURITYソリューション」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

セキュリティ対策

まとめ

外部からの不正アクセス・ハッキングの手口が巧妙化したことで、従来のセキュリティでは情報漏洩などのリスクを防御しきれなくなりつつあります。そんな現代のセキュリティ対策では多層防御が重要となっています。

まずは、その仕組みや必要性を理解した上で多重防御を取り入れたセキュリティの構築や導入をおすすめします。