リモートワークが普及するにつれ、公衆Wi-FiやフリーWi-Fiを利用する機会も増えています。しかし、ネットなどには公衆Wi-FiやフリーWi-Fiは危険という情報も多く書かれていて、はたしてビジネスに使っていいものなのかと考えている人もいるのではないでしょうか。そこでここでは、公衆Wi-FiやフリーWi-Fiの危険性や安全に利用する方法などについてまとめて解説します。

公衆Wi-Fi（フリーWi-Fi、公衆無線LAN、Wi-Fiスポット、野良Wi-Fi）とは

公衆Wi-Fiとは、一般的に街中や空港、駅、商業施設、飲食店・カフェ、コンビニエンスストアなど人が集まる場所で、多くの人が使えるよう設置されているWi-Fiのことを指します。公衆無線LANも同じ意味です。また、公衆Wi-Fiが使える場所のことを「Wi-Fiスポット」と呼びます。

公衆Wi-Fiには有料のものも無料のものも含まれます。また、同じ無料でも会員制のものや、会員にならなくても使えるものもあります。たとえば3大キャリアが提供している駅や飲食店で使えるWi-Fiは会員制の公衆Wi-Fiで、基本的にそのキャリアの契約端末であれば無料で利用できます。

一方、フリーWi-Fiは、一般的に無料かつ会員にならなくても使えるWi-Fiサービスです。公衆Wi-Fiという大きなくくりの中に、フリーWi-Fiが含まれると考えてください。

これらに対し、さらに種類の異なるWi-Fiとして、野良Wi-Fiと呼ばれるものがあります。野良Wi-Fiは通常、「サービス提供者が不明の無料のWi-Fi」のことを指します。その中には悪意を持つ第三者によって設置されたWi-Fi（アクセスポイント）が含まれています。

公衆Wi-Fi（フリーWi-Fi）の危険性

上で触れたように、公衆Wi-Fiの中のフリーWi-Fiには、危険が潜んでいることがあります。とくに危険なのが、野良Wi-Fiの一種である「なりすましWi-Fi（なりすましアクセスポイント）」です。

カフェなどで利用可能なフリーWi-Fiを使おうとすると、よく似た名前のSSID（ネットワーク名）が付けられたWi-Fiが見つかることがあります。これがなりすましWi-Fiで、カフェが提供しているフリーWi-Fiだと思って接続してしまうと通信内容の盗み見をされたり、フィッシングサイトなどに誘導されて個人情報を入力させられたりするなどの危険性があります。

悪意のある人物が、バッグなどの中になりすましWi-Fiを設置するための無線アクセスポイントという機器を忍ばせてカフェなどにいて、作業をしているふりをしながらノートPCを広げて情報の盗み見を試みている、といったシチュエーションが考えられます。

さらに、なりすましWi-Fiの中には、「似た名前」ではなく「まったく同じ名前」のSSIDが設定されていることもあります。この場合、なりすましWi-Fiと正規のフリーWi-Fiを見分けることができません。また、そのSSIDに接続したことがある場合は、自動的に接続される可能性があります。正規のフリーWi-FiよりもなりすましWi-Fiの方が強い電波が出ている場合などは優先的につながってしまうこともあるため、注意が必要です。

公衆Wi-Fiの危険性を抑えるためにできること

会員制の公衆Wi-Fiを使えば危険性を抑えることができます。とくに有料の場合は専用のアプリなどがあり、通信の暗号化に加えて、なりすましWi-Fiに接続しないための仕組みなどが備えられていることがほとんどでしょう。

接続後、ブラウザを使うときはWebサイトがSSL化されたサイトかどうか確認することも大事です。URLが「https:」で始まっていればブラウザとサーバー間のデータ通信が暗号化されているので盗み見を防ぐことができます。また公衆Wi-Fiを使っているときはパスワードを入力するサイトは利用しないようにしましょう。自動接続の設定を使わないこと、PCのファイル共有機能を無効にしておくことも心がけてください。

公衆Wi-Fiの安全性を確保する方法

より安全性の高い方法として、公衆Wi-Fiに接続する際にVPNを使うのもおすすめです。VPNはインターネット回線を利用した仮想のプライベートネットワークのことで、トンネリング・暗号化・承認などの仕組みで通信内容の盗み見やデータの改ざんなどのセキュリティリスクを軽減することができます。VPNサービスを契約していれば、公衆Wi-FiやフリーWi-FiからでもVPNを利用することができます。

最近では、公衆Wi-Fiを使う場合はもちろん、社外でリモートワークをする場合もVPN を使用する方が増えています。ただし、機密性の高いデータを扱う場合やWeb会議ツールなどを使う場合は、背後から画面を覗き見られる、会話を聞かれるなどの危険もあります。安全性を確保するなら、カフェなどの公衆Wi-Fiを利用すること自体を避けるべきだといえるでしょう。

公衆Wi-Fiを利用する際は、危険性について理解した上で適切な対策をしましょう。利用しようとしているWi-Fiスポットがどのような種類のサービスなのかをチェックし、加えてVPNなどの安全性の高い仕組みを利用するようにしてください。

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