2020年は間違いなくコロナウイルスに見舞われた年として人々の記憶に残るでしょう。新型コロナウイルス感染症は爆発的に拡大し、都市単位での自宅待機(隔離)が要請される事態を引き起こしています。一方で当社はこの投稿が一日も早く、ほぼ全世界をパニックに追い込んだコロナウイルスが発生した時代の遺跡となることを願っています。 現在多くの企業が社員に在宅勤務を要請しています。また、社員食堂は利用せず、対面での会議も行わないよう要請しています。 一方で私たちは若い世代、子どもにも目を向ける必要があります。 ウイルスに誰かが接触し、長期間教育機関が休校になる事態が発生したらどうなるでしょうか?

教育機関の休校

すでに一部の大学は春休みを前倒しにし、学生を実家に帰省させています。 アメリカの一部の小中学校および高等学校は、ウイルスへの接触が疑われるケースが確認された場合、校舎・校内の消毒のため1日臨時休校を実施しています。 では今後事態が深刻化した場合、次はどんな措置が取られるのでしょうか? アメリカの国公立の小中学校および高等学校の生徒は毎年定められた日数(約180日)登校することが義務付けられています。地域全体を対象に自宅待機(隔離)が命じられ、対象となる学区内の教育機関が数週間の休校となる場合、勉強を続けることはできるのでしょうか?

反転授業

勉強はもちろん続けることができます。またこのような事態により、授業の形が変わる可能性があります。 「反転授業」は新しい概念ではありません。 地元の学区内の教育機関では、生徒により良い学習体験を提供する目的でここ数年反転授業が試験的に導入されています。反転授業というのは簡単に言えばオンラインで提供される大学の講義にかなり近い授業です。反転授業では、講師による講義やデモを生徒がオンラインで視聴します。生徒がオンラインで視聴する授業は、担任教師によるリアルタイムの授業である場合もあれば、適切な主催者によって実施された学区の教員による授業を録画したものである場合もあります。 生徒はインターネットに接続されたあらゆるデバイス(コネクテッドデバイス)から授業にアクセスできます。一般的にはブラウザ経由でアクセスし、学生IDで認証を行います。 授業を視聴できるだけでなく、課題に取り組むことや、対象者以外には非公開のオンラインフォーラムで他の生徒と協力することもできます。

反転授業の授業方針では、リモートで授業を視聴できるようにすること、そして「宿題」の復習授業を教室で行うことが目的とされています。これにより、生徒と教師は生徒が抱える個別の課題に取り組むために多くの時間を費やすことができます。 今の子どもたちが受けている授業は、親世代が受けていた授業とは異なる可能性があるため、子どもの宿題を手伝おうとして苦戦する保護者の方がたくさんいます(アメリカの場合、コモンコア算数を子どもに教えようとしたことがある親なら、その理由がわかるかと思います)。反転授業を行えば、子どもの宿題を手伝うことに親が苦戦する必要もなくなるのです。 反転授業により、教師は生徒と共に宿題に取り組むため、授業を理解できていない生徒と理解できた生徒を知ることができ、生徒一人一人の授業の理解度を把握できます。

コネクテッドデバイス

なぜIvantiのブログにこのようなトピックの記事が投稿されているのか疑問に思われた方もいることでしょう。その理由のひとつは反転授業が実現可能であることをお伝えするためです。生徒にはインターネットに接続されたあらゆるデバイス(コネクテッドデバイス)を利用するため幅広い手段が提供されているため反復授業は実現できるのです。自宅のノートパソコン、モバイルデバイス、学校支給のデバイス(タブレットや Chromebook)にはすでに反転授業に必要なテクノロジーが備わっています。教育機関にとって(教育機関主導で反復授業を実施する場合は特に)重要なのは、これらのエンドポイントを管理すること、そして、学習目的での交流を行うため生徒に求められるアプリとシステムの安全を確保することです。つまり、学区は生徒によるアクセスが安全で必要に応じて制限されていることを確認するため、厳しい対策を講じる必要があるということです。 一時的であれこの種のリモート学習を導入することは、生徒が実りある学びに取り組むことができる、すなわち「学ぶことに集中できる」学習環境を提供することにつながります。

新型コロナウイルス感染症に注がれている世界の関心が過剰だと証明されるのか、さらに深刻に受け止める事態だと証明されるのかに関わらず、私たちの手の届く所に非常に有用なテクノロジーが存在していることを私たちは認識する必要があります。私たちは場所を問わず働くことができ、必要な相手と瞬時に連絡を取ることができるのです。 経済は周期的に低迷し、景気後退に陥る可能性があります。 一方で私たちは、この厳しい事態を「働き方を変える機会」、そして今後の世界を担う未来の世代のために「学習方法を変える機会」ととらえることもできるのです。