2019年はITサービス管理が変わる・ITSM市場でAIが活躍する一年になる理由
今後2年間は、ITサービス管理が大きく変わる転換期となるでしょう。現在のプラクティスが再調整されるだけでなく、新たな技術からこれまでになかった戦略に役立つメリットがもたらされるでしょう。
第1に、より多くの経験豊富なIT部門が、サービス管理、DevOps、アジャイル開発など、ベストプラクティスやフレームワークを活用する方法を見直すことが予想されています。
経験を積んできたからこそ、IT部門や事業のためにのみ、現行のフレームワークやベストプラクティスを導入すべきではないことに気付けるのです。現行のフレームワークやベストプラクティス自体は戦略ではなく、適切な役割を設定し、適度に、絶妙なバランスで導入すべきものです。
第2に、サービス管理関連の業務において自動化とAIの導入が劇的に加速するでしょう。
自動化により、IT部門の負担が軽減され、優秀な人材をより戦略的な業務、お客様を対象とした業務、イノベーションへの投資を前進させる業務に集中させることができます。これらの業務はIT部門の人材が持つ知識や経験、スキルが活きる業務です。同様に、ここ5年間劇的な発展を遂げたAIは、IT部門の負担をさらに軽減し、カスタマーエクスペリエンスを向上できるものになっています。インテリジェント/バーチャルアシスタントとチャットボットは、適切な役割を与え活用すれば、高い能力を発揮する技術となっています。自動化により、セルフサービス、リクエスト、ナレッジ体験は、かつてないほど使いやすく充実したものとなっています。ただし、こういった技術の進歩に伴い、2019年はサービス管理担当者にとって十分な時間を設け、以下の3つのリソースを作成することが重要となります。
- 事業戦略に合わせて更新、調整されたIT戦略
- サービス管理のベストプラクティスのロードマップ
- サービス管理の技術ロードマップ
これらのツールは、短く簡単にまとめられるかもしれませんが、2019年にサービス管理担当者が行うべき重要な作業となります。そして作成されたこれらのリソースは、2019年あるいは2020年にリソースと技術を最大限に活用する方法を示す指針となります。じっくりと時間をかけ徹底した計画を策定した上で、ロードマップの内容に従って、意思決定や投資を行ってください。
例えば、2019年前半にITIL 4がリリースされますが、これはITSM ITILプロセスモデルを改善、最適化する機会となる可能性があります。ただし、具体的なプロセスの改良やタイミングなど、この作業の範囲は、サービス管理のロードマップで設定されるべきです。同様に、ITSM業務の現状を評価し、2019年にサービス管理者が自動化とAIを最大限に活用する方法を決定する必要があります。これにより、適切な役割のために適切なタイミングで、自動化やAIを展開していることに確信を持てるようになります。これまでの経験(時には苦い経験)から、新しい技術の導入は段階的に実施し、評価やフィードバックを得るための時間を設けるべきであることをIT部門はよく理解しています。これは、ITSMへの自動化とAIの展開にも言えることです。
優れたサポート提供のために課題を克服する
予算やリソースを増やすことなく、より多くのアプリケーションをサポートし、より戦略的な貢献を行い、お客様満足度を高めることがIT部門に求められていることは、周知の事実です。さらに、ITに関する問題についてよりわかりやすく速やかなサポートを求める社員やお客様が増えているため、サービス管理担当が目標のサービス水準を満たすことに苦戦しているのが実情です。ただし今年は、AI搭載ツールがサービス管理のツールボックスに追加される動向があるため、このツールは、IT部門から多くの日常業務の負担を軽減しつつ、より良いサポートとサービスを提供するために必ず役立つでしょう。
ユーザーエクスペリエンスを刷新する
AI導入の第一歩は、社員からの問い合わせ電話とリクエストに対応することになるでしょう。チャットボットにより、社員は簡単なやりとりを行うだけで、リクエストを行うことやサポートを依頼することができるようになります。例えば、「ネットワークパスワードをリセットしたい」や「VPNへのアクセス権が必要」と言うだけで、チャットボットがリクエストを自動記録し、必要な承認など適切なワークフローを開始し、解決までにかかる所要時間を提供します。AI導入の第一歩は、社員からの問い合わせ電話とリクエストに対応することになるでしょう。チャットボットにより、社員は簡単なやりとりを行うだけで、リクエストを行うことやサポートを依頼することができるようになります。例えば、「ネットワークパスワードをリセットしたい」や「VPNへのアクセス権が必要」と言うだけで、チャットボットがリクエストを自動記録し、必要な承認など適切なワークフローを開始し、解決までにかかる所要時間を提供します。
また、よくある質問に対する「操作手順」を示す回答や提案にアクセスできるナレッジベースでは、今後IT部門の介入が不要な日常業務がどれだけあるかがはっきりとわかるようになります。速やかな対応/回答、シンプルなやりとり、常にサポートできる状態を可能にするソリューションを組み合わせれば、より多くの社員に、IT部門の対応に満足してもらえるようになるでしょう。毎回フォームに入力する必要性を排除し、社員が気付く前に考え得る問題を自動解決し、改善のみに目を向けましょう。
ITSM担当者が仕事しやすい環境作りをサポートする
チャットボットを使用してセルフサービスを社員にとってより身近なものにすることで、IT部門の日常業務の負担は軽減されますが、AIがもたらすメリットはそれだけにとどまりません。AIは、バックエンドのプロセスをさらに自動化し、IT部門にシステムの問題に関する推奨事項を提供します。そして時には、IT部門や他の事業部門にサービス中断の影響が及ぶ前に、問題を予測します。AIによって拡張されたサービス管理ソリューションは、より多くの情報を提供し、解決策の特定を支援し、問題を解決するための作業を作成し、適切なアナリストや技術者への作業の割り当てを実行することが可能になります。
Ivantiのサービス管理ソリューションは以下のリンクよりご確認できます。